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2000年10月30日(月)と31日(火)の両日,杜の都,仙台の戦災復興記念館で,第40回日本臨床化学会が,後藤順一会長(東北大学大学院薬学研究科教授)のもとに開催された.特別講演1題,教育講演1題,会長講演1題,シンポジウム3,日本臨床化学会・日本臨床病理学会合同カンファレンス,機器・試薬セミナー,受賞講演が企画された.一般演題には72演題の発表があり,いずれの発表も,白熱した議論が交わされ,21世紀における臨床化学の隆盛を予期させる素晴らしいものであった.また,今集会の持つ意義を各所で感じられた.その1つは会長講演で,会長自ら,21世紀の日本臨床化学会のあるべき姿を指し示されたことが挙げられる.また,測定値の管理に関してはまずまずの成果を上げつつあるが,QOL (quality of life)という観点から見直さなければならない可能性についてシンポジウムが組まれた.さらに,関連学会統合の流れの中,日本病理学会との共同開催のシンポジウムの企画も盛り込まれた.
まず,会長講演では菅野剛史会長(浜松医科大学副学長)から,臨床化学を「化学的手法を駆使して,生命体の内的・外的かかわり合いを解析する,生命科学の一分野」と位置付けられた.そのうえで,2000年の重点活動を次の4点,すなわち,臨床化学者の認定,学会賞の新たなる発展,法人化の推進,第18回国際臨床化学会(ICCC)の支援,に置いていることが具体的に説明された.さらに,21世紀に向けて,臨床化学は生命科学の一部であることに留意し,今まで蓄積された技術を安全性試験,毒性試験,薬物濃度の監視,食品検査,栄養解析など,さまざまな分野に応用し,発展を遂げなければならないことを訴えられた.臨床検査全体に,希望が少なくなりつつある状況下で,おおいに気勢を上げていただくお話であった.なお,この講演に先だって行われた評議員会・総会で,菅野会長の会長続投が満場一致で信任された.
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