今月の主題 質量分析―新しい臨床検査への展開
巻頭言
質量分析―新しい臨床検査への展開
片山 善章
1
Yoshiaki KATAYAMA
1
1国立循環器病センター臨床検査部
pp.7-8
発行日 2000年1月15日
Published Date 2000/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904286
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私は2つのことから質量分析法(装置)のことを具体的に知った.
その1つは,20年ほど前にNIST(当時はNBS)の標準血清(Serum Refer-ence Materials;SRM909)の各成分の表示値の測定法はID-MS (同位体希釈質量分析法)と記載されることで知ったように思う.そのときのID-MSの印象は,かなり難かしい方法であり,「何処でも,誰でも,何時でも,簡単に測定できる分析技術ではない」ということであった.いわゆる分子量が測定できることから(臨床)分析化学においては基準分析法(difinitive method)に位置づけられており,日本においては数か所のみしか実施できなかったと記憶している.ID-MSのことについては,本文「標準化におけるMS」で述べられている.
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