今月の主題 臨床化学分析の指示反応系
話題
高感度測定への試み―チオ-NADを用いた酵素サイクリング法
美﨑 英生
1
Hideo MISAKI
1
1旭化成工業(株)診断薬研究部
キーワード:
チオ-NAD
,
酸素サイクリング法
,
高感度測定
Keyword:
チオ-NAD
,
酸素サイクリング法
,
高感度測定
pp.1051-1053
発行日 1997年9月15日
Published Date 1997/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903424
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1.はじめに
臨床検査において測定の高感度化が望まされているが,その1つの方法として,酵素サイクリング法がある.酵素サイクリング法は酵素または補酵素の組み合わせにより,測定目的物質のみを増幅して定量する.いわば核酸増幅法であるPCRに匹敵する方法である、本法は酵素の基質特異性,反応特異性により目的物質のみを増幅させることから,検体中の共存物質による測定への影響を軽減させ,目的物質を増幅定量するものであり,比色測定,電気化学的測定が応用できる.また,蛍光や発光測定と組み合わせることにより,さらに高感度化が可能である.
酵素サイクリング法には図1に示すように,A法:酸化酵素―脱水素酵素系,B法:チオ-NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)系,C法:補酵素サイクリング系などがあるが,ここでは筆者らが開発した脱水素酵素と2種の補酵素(チオ-NAD:NADH)を組み合わせたユニークなB法:チオ-NAD法を紹介する.
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