今月の主題 Internal Quality Control
話題
常用酵素標準物質(ERM)
小川 善資
1
,
木村 孝司
2
,
牧瀬 淳子
2
,
山口 正
3
,
池谷 均
4
,
須郷 秋恵
5
,
斉藤 奈々子
6
,
伊藤 啓
1
Zensuke OGAWA
1
,
Takashi KIMURA
2
,
Junko MAKISE
2
,
Tadashi YAMAGUCHI
3
,
Hitoshi IKEYA
4
,
Akie SUGOH
5
,
Nanako SAITOH
6
,
Hajime ITOH
1
1北里大学医療衛生学部
2横須賀共済病院中央検査科
3横浜市立港湾病院検査部
4神奈川県リハビリテーション病院検査部
5横浜市立大学医学部附属浦舟病院中央検査部
6横須賀市立市民病院臨床検査技術科
キーワード:
常用酵素標準物質
,
酵素活性測定
,
標準化
,
標準物質
Keyword:
常用酵素標準物質
,
酵素活性測定
,
標準化
,
標準物質
pp.433-440
発行日 1997年4月15日
Published Date 1997/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903292
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1.はじめに
日本臨床化学会は6種類(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(EC 2.6.1.1;AST)1),アラニンアミノトランスフェラーゼ(EC 2.6.1.2;ALT)2),クレアチンキナーゼ(EC 2.7.3.2;CK)3),アルカリホスファターゼ(EC 3.1.3.1;ALP)4),乳酸デヒドロゲナーゼ(EC 1.1.1.27;LD)5),γ-グルタミールトランスフェラーゼ(EC 2.3.2.2;γ-GT)6)のヒト血清中酵素活性の測定方法に対する勧告法を提示し,この方法に準じた常用基準法が設定されている7).この常用基準法で得られる正確な測定値を,日常検査法に正確に伝達させるために用いられる酵素標準液が,常用酵素標準物質(ERM)である.この関係を図1に示した8).
酵素活性測定値の施設間差をなくし,正確な酵素活性値に導くための重要な役割を課せられたERMを確立させるため,日本臨床化学会では1992年10月,酵素,標準品情報,精度管理の3つの専門委員会の合同でERM研究会が組織され,1994年3月には指針案が提案された.これを受け,ERMを製造するためのワーキンググループが作られ,多くの討議が繰り返された.これら議論をまとめたものとして,常用酵素標準物質の規格が公表されるに至った8).この規格に記載されていることが現状でのERMに関する最も正確な情報のすべてであるが,本稿では若干解説を加えさせていただく.
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