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LAPS法
民谷 栄一
1
1北陸先端科学技術大学院大学
キーワード:
バイオセンサー
,
レセプター
,
半導体
Keyword:
バイオセンサー
,
レセプター
,
半導体
pp.1338-1340
発行日 1995年11月15日
Published Date 1995/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902753
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シリコン微小集積化技術を利用して作製されたLAPS (light addressabie potentiometric sensor)デバイスを用いて細胞のレセプター機能やシグナル分子に対する細胞応答が測定されている.これは,筆者らが長年研究を行っているバイオセンサーの原理に基づくものである1).このデバイスは,シリコン基板上に30nmの酸化シリコン層を熱酸化によって形成後,100nmの窒化シリコン層を低圧CVD法により作製している.さらにプラズマ法によりエッチングを行い,細胞を固定できるマイクロウェルが多連に作製されている2).
1つのマイクロウェルの大きさは,一例として50μm×25μmである.このLAPSデバイスを用いると,溶液との界面電位が光照射下で光電流として検知できる.特に溶液のpH変化を正確に測定できるという.またわずか100nlの培養液中に1,000個の細胞さえあれば測定できるという(図1).細胞から生成される乳酸やCO2によって培養液のpHが変化するのをリアルタイムに測定できれば間接的に細胞の代謝活性を評価できる(図2)3).培養液の細胞への移送のオン・オフを繰り返して行い,オフ時のpH変化速度をLAPSデバイスにより測定しこれを細胞活性の指標にしている.このシステムにより栄養基質のみならず代謝阻害を与える各種細胞灘物質の測定に適用できる.
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