目でみる症例―検査結果から病態診断へ・34
アポC-Ⅱ異常に伴う高トリグリセライド血症―家族性アポC-Ⅱ欠損症
山村 卓
1
Taku YAMAMURA
1
1国立循環器病センター病因部
pp.1191-1194
発行日 1995年10月15日
Published Date 1995/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902635
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●検査結果の判定●
アポリポ蛋白(アポ蛋白)はリポ蛋白代謝に重要な機能を果たしており,高脂血症の病態解析にはアポ蛋白の面からのアプローチが不可欠である.電気泳動によるアポ蛋白の分析法1)は,比較的少量の試料で,高価で特殊な器材がなくとも実施でき,基礎および臨床分野において広く用いられている.図1は高トリグリセライド血症を呈する症例とその母親,および正常人のVLDLアポ蛋白を,通常のポリアクリルアミドゲル電気泳動法(尿素添加ゲルを使用)と等電点電気泳動法で分析したものである.
尿素加ゲルを用いた通常のポリアクリルアミドゲル電気泳動で,アポ蛋白は先端側から,アポC-Ⅲ-2,C-Ⅲ-1,C-Ⅱ,Eの順にそれぞれ明瞭に分離泳動される.アポC-Ⅲ-0はC-Ⅲ-1とC-Ⅱの中間に泳動されるが,相互に近接して泳動される.
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