今月の主題 好中球をめぐる検査
話題
Wegener肉芽腫症とANCA
竹内 勤
1
Tsutomu TAKEUCHI
1
1埼玉医科大学総合医療センター第2内科
キーワード:
血管炎
,
蛍光抗体法
Keyword:
血管炎
,
蛍光抗体法
pp.453-456
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901938
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1.はじめに
ANCA (anti-neutrophilic cytoplasmic anti-body:抗好中球細胞質抗体)は,Davisなどによって一部の糸球体腎炎患者血清中に見いだされた自己抗体で1),当初その重要性は広く認識されなかった.しかし,Wegener肉芽腫症をはじめとする血管炎症候群,半月体形成性腎炎において本抗体が高頻度に検出されることが確認されて以来,一躍脚光を浴びることとなった2).その意義については,診断のみならず,疾患の活動性判定や,病巣の拡がり,治療反応性のモニター,病態の把握などのさまざまな方面において検討が進められてきた.特に,全身性血管炎の代表的な一疾患で,特徴的な臨床症状を呈し,放置すれば死に至るとされるWegener肉芽腫症において,重要な成果が得られている.本稿では,ANCAの一般的な知識を整理し,その中でWegener肉芽腫症において得られている知見を中心に概説する.
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