学会だより 日本臨床検査自動化学会第25回大会
人工浜で医療サービスの心を問う
中 恵一
1
1大阪市立大学臨床検査医学
pp.1250
発行日 1993年11月15日
Published Date 1993/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901806
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大都会の人たちは奇妙なことをあれこれ思いつくものだ.前回,1991年に日本臨床検査自動化学会開催で幕張メッセの会場へ来たときは,埋立て地に建設中のビルが数棟,完成したオフィスビルが数本あるものの,どことなく平垣な砂地に雑草がひょろひょろ生えているという,初老の男性の禿額を見ているようで,頼まれた用事でもなければもう一度来たくもない印象しか持てなかった.ところが,昨年神戸で大会をもって,1年をおいて再びその来たくもなかった幕張へ来てみると,いくつものホテルがすでに営業をしていて,そのうちの1つはオープンのとき皇太子殿下が訪問されたというし,何本ものオフィスビルが稼働していてランチ時にはレストランに行列ができるほどの人が働いている.浜辺にはスタジアムまであって,夜50階に近い高層ホテルの最上階からライトアップされたスタジアムを見てみると,活字のカンマくらいの大きさの選手が動いているのが見える.
今年,日本臨床検査自動化学会は25回を迎えた.浜辺の開発に人がスコップしかおそらく使えなかったころから今日の大型の土木工事用重機の発達があって幕張のこの姿があるように,同学会の内容にも歴史の歩みをすでに感じる.茂手木皓喜学会長が用意された25年記念誌"臨床検査の自動化とともに"を頂戴した.
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