今月の主題 HCV
話題
医療従事者のC型肝炎ウイルス感染
清澤 研道
1
Kendoh KIYOSAWA
1
1信州大学医学部第2内科
キーワード:
HOV感染
,
針刺事故
,
医療従事者
Keyword:
HOV感染
,
針刺事故
,
医療従事者
pp.1123-1125
発行日 1993年10月15日
Published Date 1993/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901707
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1.はじめに
後天性免疫不全症候群(AIDS),B型肝炎,C型肝炎は血液を介して感染することから医療従事者にとって感染リスクの高い疾患である.なかでもウイルス肝炎は本邦では患者数が約300万人と多く,入院,外来を問わずどこの医療機関においても治療を受けている患者がみられる.また病気の性格上,肝機能検査など血液採取による検査が高頻度である,したがって医療従事者は患者血液あるいは分泌物に接する機会が多く,それだけ感染の機会も多い.
三重大学病院における医療従事者のB型劇症肝炎事件を契機として医療機関内のB型肝炎の予防については対策が確立した感がある.一方,C型肝炎に関しては予防抗体・ワクチンがなく,いまだ確立した予防法がないのが現況である.筆者の経験と文献に基づき医療従事者のC型肝炎ウイルス感染の実態と対応につき述べる.
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