連載 重複表現型の白血病細胞・6
好塩基球と肥満細胞との重複表現型を持つ中間的細胞
榎本 康弘
1
1慶應義塾大学医学部病理学
pp.1300-1301
発行日 1992年12月15日
Published Date 1992/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901355
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組織肥満細胞(MA)はマウスにおいては骨髄由来で,ほかの血液細胞と同一な幹細胞が起源であることが明らかにされている1).一方,ヒトにおいては好塩基球(BA)と肥満細胞の前駆細胞における分化や増殖についてはいまだに不明の点が多.しかし骨髄増殖性疾患(MDS)2)や慢性骨髄性白血病の際には,同一細胞に肥満細胞と好塩基球の両方の特徴を持った中間的な細胞が出現することが明らかにされており,これらの形態的事実から両細胞が共通の前駆細胞から分化することが示唆される,今回はMDSの1症例で,末梢血に出現したPPO様反応陽性の芽球および成熟好塩基球に肥満細胞と好塩基球の表現型を併せ持つ細胞について解説する.
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