私のくふう
水流循環式染色用ガラスバット
大谷 静治
1
,
佐藤 昇志
1
,
池田 卓也
2
,
池田 真美
3
1札幌医科大学中央組織学研究室,第一病理学講座
2札幌医科大学法医学講座
3札幌医科大学中央組織学研究室
pp.1030-1031
発行日 1992年9月15日
Published Date 1992/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542901222
- 有料閲覧
- 文献概要
顕微鏡用組織学標本の染色用ガラスバットは現在,数種類が市販されており,染色目的によって使い分けられている.そのなかでも縦型染色用ガラスバットは最も使用頻度が高く,その種類は2種類ある.HE染色などのような金属の染色カゴが使用できる染色用ガラスバットと,鍍銀染色のように金属の染色カゴが使用できないような染色のためのミゾ付き染色用ガラスバットがある.このミゾ付き染色バットはバットの両脇にミゾが10か所付いており,スライドグラスが一度に10枚染色できるものである.
しかし,ミゾ付き染色バットには次のような問題が指摘される.すなわち,スライドグラスを入れた状態では,スライドグラスとスライドグラスの間が仕切られて水が循環しにくくなる.そのために染色液や試薬などの流水水洗の過程が不十分となり,染色ムラなどの原因となる.そして,これを防ぐためには水洗にかける時間を長くするか,何度も水を手で交換しなければならないため,染色の全過程に要する時間や手間が必要以上に多くなるなどの弊害が生じる.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.