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クロモグラニンA
岩花 弘之
1
,
斎藤 史郎
1
1徳島大学第一内科
キーワード:
クロモグラニンA
,
cDNA
,
パンクレオスタチン
,
β―グラニン
Keyword:
クロモグラニンA
,
cDNA
,
パンクレオスタチン
,
β―グラニン
pp.1099-1100
発行日 1990年9月15日
Published Date 1990/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900270
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- 文献概要
クロモグラニンA (CgA)は副腎髄質のクローム親和性顆粒に含まれ,内臓神経の刺激でカテコラミンとともに分泌される酸性糖蛋白として発見された.その後,副甲状腺に存在する分泌蛋白I(SP-I)とCgAが同じものであることが確認された.またCgAは脳,下垂体,網膜,甲状腺,膵および交感神経系に広範囲に分布していることが知られたが,その作用は不明のままであった.
ウシ副腎髄質1),ヒト褐色細胞腫2),ラット副腎3)およびブタ副腎髄質4)のcDNAライブラリーから,次々とCgA cDNAがクローニングされ,その塩基配列からCgAの全アミノ酸配列が決定された.図1の(A)はプレクロモグラニンA (preCgA)の構造を示したものである.ウシ,ヒト,ラットおよびブタのCgAは,それぞれ431,439,448,430個のアミノ酸残基からなり,それぞれのpre CgAのN末端には18個のアミノ酸からなるシグナルペプチドが存在する.また,プロセシングシグナルとなりうる塩基性アミノ酸対が8~10組あり,そのうちの7組は4種のCgAのすべてに共通して見られた.このことは,CgAがさらに小さいペプチドの前駆体であることを示唆している.
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