Japanese
English
今月の特集 脳脊髄液検査—その基礎と新しい展開
脳脊髄液の成り立ちと意義
Constitution and significance of the cerebrospinal fluid
𠮷岡 宏真
1
,
奥田 武司
1
,
内山 卓也
1
,
髙橋 淳
1
1近畿大学医学部脳神経外科
キーワード:
脳脊髄液の産生と吸収
,
CSFの産生と吸収
,
CSFの循環
,
脈絡叢
,
third circulation theory
,
bulk flow theory
,
glymphatic system
Keyword:
脳脊髄液の産生と吸収
,
CSFの産生と吸収
,
CSFの循環
,
脈絡叢
,
third circulation theory
,
bulk flow theory
,
glymphatic system
pp.490-494
発行日 2023年5月15日
Published Date 2023/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203290
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Point
●脳室とは,脳脊髄液(CSF)で満たされた脳内の空間のことである.左右一対の側脳室と正中に第三脳室・第四脳室が1つずつ存在し,合計計4つの脳室から成る.これらは相互に連絡があり,頭蓋内・脊髄腔内のくも膜下腔へと交通することで,CSFは脳室内,脳内,脊髄腔内を循環している.
●CSFは主に脳内から排出される間質液から生成され,一部は脈絡叢から生成される.脈絡叢から生成されるCSFは人間の恒常性(ホメオスタシス)の維持の重要な役割を担っている.
●CSFの産生と吸収機構の概念は100年間変わることがなかったが,2010年代に入って大きく変化し,新たな概念へと革新された.
●新たな概念とは,脈絡叢や脳細胞から産生される間質液がCSFとなり,脳室とくも膜下腔に排出されるCSF,くも膜顆粒を介して静脈洞から吸収される経路だけではなく,硬膜リンパ管からも吸収されるということである.
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