Japanese
English
増大号 計測する項目と記録断面がわかる! 病態別・類似疾患別心エコー検査のルーティン
各論(心エコー類似所見別または病態別)
9章 先天性疾患
房室中隔欠損症(AVSD)
Atrio-ventricular septal defect (AVSD)
小谷 敦志
1
1近畿大学奈良病院臨床検査部
pp.560-564
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202988
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
基礎知識1,2)
房室中隔欠損症(atrio-ventricular septal defect:AVSD)は心内膜床欠損(endocarpdial cushion defect:ECD)や共通房室弁口などと呼称されてきたが,現在ではAVSDに統一されている.AVSDは,僧帽弁と三尖弁が5つの弁葉によって形成される共通房室弁であり,房室弁が付着する心房心室中隔組織の欠損を伴う.形態によって完全型と不完全型に分類され,完全型のほうが不完全型よりも多い.Down症候群の約40%が先天性心疾患を合併し,それらの40%は完全型である.完全型の場合,房室弁逆流,肺高血圧症などにより長期生存は困難ため,成人の心エコー検査で初めて発見されるAVSDは不完全型がほとんどである.心電図では刺激伝導路の欠損による心房粗細動,房室ブロックを認めるが,心房中隔欠損症(atrial septal defect:ASD)と異なり左軸偏位を認めることが特徴的である.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.