特集 急増する患者を誰が診る? 成人先天性心疾患
[Chapter 3] 成人先天性心疾患各論
房室中隔欠損
石津 智子
1
1筑波大学 循環器内科
キーワード:
房室中隔欠損(AVSD)
,
Down症候群
,
房室弁逆流
,
左室流出路狭窄
Keyword:
房室中隔欠損(AVSD)
,
Down症候群
,
房室弁逆流
,
左室流出路狭窄
pp.227-231
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika136_227
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★★房室中隔欠損(AVSD)は,房室中隔の欠損と房室弁の構造異常を含む複雑な先天性心疾患であり,構造的に完全型と部分型に分類される.
★Down症候群との合併頻度が高く,小児期に外科的修復が行われるが,成人期においても左側房室弁逆流や大動脈弁下狭窄,不整脈など多岐にわたる遠隔期合併症が問題となる.
★とくに左側房室弁逆流,流出路狭窄による再手術の必要性があり,弁置換の選択に際しては年齢や妊娠希望の有無を含む個別化が求められる.
★★部分型では成人期に初めて診断されることもあり,房室弁逆流の進行や不整脈への対応が必要である.
★★★手術適応には肺血管抵抗や弁逆流の重症度などの評価が不可欠であり,成人先天性心疾患の専門施設での継続的な診療が推奨される.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容

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