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増大号 計測する項目と記録断面がわかる! 病態別・類似疾患別心エコー検査のルーティン
各論(心エコー類似所見別または病態別)
1章 弁膜疾患
人工弁の異常
Prosthetic valve dysfunction
柳 善樹
1
1独立行政法人国立病院機構 大阪医療センター 臨床検査科
pp.402-412
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202971
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基礎知識
弁膜症の外科的治療において,弁形成が困難な場合に使用される人工弁は機械弁と生体弁に大別される.わが国では人工弁の選択は年齢によって表1のように推奨されている.しかし,年齢だけではなく,抗凝固治療が十分に行えない患者や挙児希望の女性は生体弁を,すでに他の弁が機械弁に置換されている場合は機械弁を選択するなど,患者の背景を十分に鑑みて人工弁の選択がされる1).さらに近年では,経カテーテル的大動脈弁置換術(transcatheter aortic valve implantation:TAVI)が広く普及しており(OPA①),高齢者や開胸手術困難例に施行されている.人工弁置換術後は,discや弁尖の性状および可動性の評価や人工弁周囲に異常構造物付着がないかなどの形態評価に加えて,人工弁機能不全の有無やその成因などの血行動態的評価が必要であり,心エコー図での評価項目は多岐にわたる.そのため,人工弁置換術後症例は一生涯,経過観察される必要がある2).
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