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血液
白血球の偽Pelger核異常の意義を教えてください
野田 幸代
1
1川崎医療福祉大学医療技術学部臨床検査学科
pp.324-325
発行日 2021年4月15日
Published Date 2021/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202618
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家族性Pelger核異常(Pelger-Huët anomaly)
遺伝性Pelger核異常は核膜上の蛋白質であるラミンBレセプター(LBR)の遺伝子変異による,顆粒球の核形態異常(低分節)を特徴とする常染色体優性遺伝である.健常人好中球の核は通常2〜5分節で,3分節が最も多く認められる.しかし,本症では文節数が1〜2分節と少なく,好酸球や好塩基球にも同様の変化を認める.発症は約6,000人に1人の割合といわれ,ヘテロ接合体の好中球は2分節にとどまり,左右対称のメガネ様が多数認められる.一方,ホモ接合体では核の分節がなく,太い桿状,あるいは類円形の単核を呈するものが多く,好中球遊走能の低下が報告されている.診断には,家族性に出現したかどうかの検索が必要となる.
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