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今月の特集 対比して学ぶエコー所見で鑑別に悩む疾患
精巣:セミノーマと類表皮囊腫
Testes: point of difference for seminoma and epidermoid cyst
河本 敦夫
1
1東京医科大学病院画像診断部
キーワード:
精巣腫瘍
,
胚細胞腫瘍
,
良性精巣腫瘍
,
類表皮囊腫
Keyword:
精巣腫瘍
,
胚細胞腫瘍
,
良性精巣腫瘍
,
類表皮囊腫
pp.69-73
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202550
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はじめに
精巣腫瘍のほとんどは悪性であり,多くが思春期以降の若年男性に発症する.そのうちの90〜95%は,多方向に分化可能な生殖細胞から発生した胚細胞腫瘍で,さまざまな組織型が存在する.なかでもセミノーマは胚細胞腫瘍で最も多い組織型であり,臨床上はセミノーマと非セミノーマに大別される1).
精巣腫瘍は進行が速いことが知られており,迅速に治療へと進む流れが標準である.病理組織診断と治療の意味を併せもつ高位精巣摘除術後に,腫瘍マーカーおよび全身画像検査で臨床病期を決定する.転移のある進行性のものには化学療法を中心とした集学的治療がなされる.
一方,多くはないが,良性の精巣腫瘍も存在する.良性病変に対しての高位精巣摘除術は過侵襲であるため,近年では術中迅速病理診断を組み合わせた腫瘍核出術が選択される.最新の「精巣腫瘍診療ガイドライン」1)では,原発巣の診断に超音波Bモードとカラードプラでの評価の有用性が明記されている(推奨グレードA).
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