今月の特集1 骨髄不全症の病態と検査
扉
佐藤 尚武
1
1順天堂東京江東高齢者医療センター臨床検査科
pp.733
発行日 2020年7月15日
Published Date 2020/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202403
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
骨髄不全症(bone marrow failure:BMF)とは,再生不良性貧血(aplastic anemia:AA)や発作性夜間血色素尿症(paroxysmal nocturnal hemoglobinuria:PNH),骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome:MDS),先天性骨髄不全症などを含む疾患群です.MDSは臨床検査領域でも話題として取り上げられることが多いので,今回はMDSを除く後天性BMFに焦点を当てて特集を企画しました.
これらの疾患について理解を深めることは,MDS以外の後天性BMFのみならず,MDSの診断にも役立つと考えます.なぜなら,これらの疾患はMDSとの鑑別がしばしば問題となるためです.MDS以外のBMFに関してはまだ不明な点も多いのですが,近年,さまざまな新知見が明らかにされています.検査従事者がそれらについて知ることは,BMFのより正しい診断に貢献するものと信じています.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.