今月の特集2 質量分析を利用した臨床検査
扉
佐藤 尚武
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1順天堂東京江東高齢者医療センター臨床検査科
pp.251
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202296
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質量分析とは,分子をイオン化し,質量荷電比に基づく分離検出を利用して,分子の質量とその相対量を測定する分析技術です.臨床検査における質量分析法(MS)の利用は,これまで非常に限られたものでした.しかし,マトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI)を組み合わせたMSによる微生物の同定が実用化され,これが新たな臨床検査としてのMSの可能性を見事に示してくれました.
本特集では,MSについて,臨床検査関連領域における利用の現状と,臨床検査としての利用に際しての課題,今後の展望について解説していただきました.微生物検査にみるように,MSは従来の臨床検査を劇的に変える大きな可能性を秘めています.本特集を通じてその息吹を感じていただくことができれば,特集を企画した者としてこれに勝る喜びはありません.
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