今月の特集1 病態から学ぶ生化学
扉
山内 一由
1
1筑波大学医学医療系
pp.893
発行日 2017年8月15日
Published Date 2017/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201332
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検査結果の解釈を深めることは,検査結果を臨床の場で有効活用していくうえで重要です.さらに検査結果を提供する側にとっては,自らが出した結果について,説明責任を果たすという意味においても欠かせません.まずは検査技術的な観点から,そして病態検査学的な観点から,周到に行わなければなりません.
言うまでもなく臨床医学は基礎医学に立脚しています.病態検査学的な眼力を涵養するには,その基盤となる知識の習得が不可欠です.臨床化学検査なら生化学です.基礎医学に精通すれば,検査値の変動が示唆する病態とそのメカニズムがより鮮明にみえてくるようになるはずです.加えて,検査技術的な洞察力を高めるうえでも役立ちます.検査法の原理には私たちのからだの中で起きている生命現象を応用したものも少なくないからです.普段さまざまな患者のデータを目の当たりにしている私たちにとっては,目前にある患者の病態は基礎医学のよい教科書でもあるのです.
本特集をきっかけに生命現象を再学習し,検査後過程の肝ともいえる検査結果の解釈をよりいっそう深めていただければと思います.
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