検査説明Q&A・28
平均赤血球容積(MCV)は基準範囲内ですが,平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)の低下がみられました.どのようなことが考えられますか?
出居 真由美
1
,
田部 陽子
1
1順天堂大学医学部臨床検査医学講座
pp.750-753
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201293
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■赤血球系血算値
赤血球系血算値には,赤血球数(red blood cell:RBC),ヘモグロビン濃度(hemoglobin:Hb),ヘマトクリット値(hematocrit:Ht),赤血球指数である平均赤血球容積(mean corpuscular volume:MCV),平均赤血球ヘモグロビン量(mean corpuscular hemoglobin:MCH),平均赤血球ヘモグロビン濃度(mean corpuscular hemoglobin concentration:MCHC)の基本項目に加え,赤血球粒度分布幅(red cell distribution width:RDW),網赤血球数(reticulocyte:Ret)がある.現在では,ほぼ全ての検査機関において自動血球分析装置によって測定されている.
基本的な測定原理は,電気抵抗法,光学的測定法,またはそれらを複合させた測定系であり,Hbについては比色分析を利用している.赤血球指数は計測されるRBC,Hb,MCV(またはHt)から算出される.Htは,血液中に占める赤血球の容積比率であり,用手法の時代には遠心法によって測定されていたが,自動血球分析装置では,MCVとRBCから算出する方法〔Ht(%)=MCV(fL)×RBC(106/μL)/10〕か,定量吸引された血液量に対する赤血球パルス波高から累積算出する方法(赤血球パルス波高値検出法)で算出されるため,Htは直接測定されていないことに留意する必要がある1,2).
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