発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2017028487
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67歳女。左内頸動脈および後交通動脈の脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血に対しクリッピング術、続発した水頭症に対しV-Pシャント術(シャント感染のため抜去)が施行され、経管栄養にて全身状態が安定したため当院転院となった。肺炎を繰り返したため中心静脈栄養となり状態は安定していたが、開始7ヵ月後の定期検査にて大球性貧血を認めた。その後も貧血が進行し、臨床経過および追加検査から中心静脈栄養による銅欠乏性貧血の診断に至った。微量元素製剤の静注を1週間静注した後、市販の総合ミネラル剤を経管から投与したところ、治療開始6週間後には血液所見の改善を認めた。1年間の定期的な採血データを解析したところ、Hb濃度と平均赤血球容積(MCV)の間に強い逆相関を認め、治療前にはMCV 127fLと著明であったが、治療後は軽度貧血が残る状態で正球性となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2016