今月の特集2 膵臓の病気を見逃さない
扉
山田 俊幸
1
1自治医科大学臨床検査医学
pp.711
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201284
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タイトルの“見逃さない”には2つの意味が込められています.急性の膵臓疾患はしばしば重篤になります.急性腹症を診た場合,急性膵炎を鑑別に挙げない臨床医はいないでしょう.迅速で適切な対応には,症状,診察所見,検体検査データ,画像所見のサインを“見逃さない”ことが大変重要です.特に,検体検査データは重症度を反映して明確に変動するので,その正しい理解が必要です.
一方,慢性の疾患である慢性膵炎や腫瘍は,メタボなどの生活習慣や高齢化を受けて,今後,さらに問題になってくるでしょう.膵臓はその存在位置から,異常を“見逃さずに”発見することがしばしば困難です.これらの疾患の診断には画像検査がより期待されています.本特集を読んでいただき,まず,腹部エコーを中心とした最近の状況を理解してください.理解が広まりつつあるIgG4関連疾患と,膵臓の古典的検査ながら解決すべきことが残されているアミラーゼ,リパーゼも取り上げました.
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