今月の特集1 標準化とトレーサビリティ体系
扉
山田 俊幸
1
1自治医科大学臨床検査医学
pp.1341
発行日 2024年11月15日
Published Date 2024/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542203775
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私たちが付き合っている検査の値はどこからきたのだろうと不思議に思うことはありませんか.日常検査の値がその源からどのように伝わっているかの概念が“伝達性”で,日常検査の値が,その源に確かにたどれるかという概念が“トレーサビリティ”です.定量的検査の値を議論するうえでの基本中の基本です.本特集の冒頭でその概念を再確認ください.ところで,どの試薬・機器を使っても同じ項目ならほぼ同じ値が得られることは臨床検査が目指すゴールの1つです.その意味で,共用基準範囲の提唱は画期的なことでした.共用基準範囲の適用には,その検査が標準化またはそれに近いレベルにあることと,ユーザーが標準的測定法を採用し,外部精度評価で問題ない成績を収めていることが求められます.本特集では,臨床検査分野ごとに,トレーサビリティ体系の現状と標準化のレベル,その反映である外部精度管理調査の成績などを解説いただき,問題点と可能性を学習することにしました.
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