増刊号 臨床検査スターターズガイド
3章 組織マネジメントにかかわる臨床検査技師になるために
臨床検査とリスクマネジメント
上道 文昭
1
1東京医科大学病院中央検査部
pp.562-563
発行日 2017年4月15日
Published Date 2017/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201244
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リスクマネジメントとは,“リスクが発現しないようにリスクを管理することであり,重大なリスクが発現した場合の損失を最小限に抑えるように管理する活動”といえます.
臨床検査においてのリスクマネジメントは,①何のための活動か(目的の明確化),②何を管理するのか(管理対象の明確化),③どのように管理するのか(管理方法の明確化),を押さえ,リスクとコストのバランスを考えて実践することが大切です1〜3).
1990年代後半に起きた医療事故を契機として国民の医療に対する不信・不安が高まり,病院における医療安全管理対策の整備が強く求められるようになりました.2002年の医療法施行規則の一部改訂に始まり,病院においては“医療の安全を確保するための措置”として4項目が義務化され,2007年には“医療安全の確保にかかる医療機関の管理者の義務”が明文化されています.また,診療報酬制度上でも“医療安全対策加算”などが新設されるなどの動きがあります.
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