今月の特集2 がん分子標的治療にかかわる臨床検査・遺伝子検査
扉
横田 浩充
pp.1545
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201050
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トラスツズマブ,イマチニブ,ゲフィチニブなどの分子標的薬の登場によって,がんの個別化医療が現実のものとなっています.分子標的薬はがん細胞の増殖に強く働いている分子シグナルを標的とした抗がん剤で,耐性化という問題はあるものの,副作用が少なく,がん細胞に特異的であることから,今後の進展が期待されています.分子標的治療には標的遺伝子の異常の有無を検査することが必須であり,あらかじめ,がん組織や白血病細胞に対して分子レベルの検査を行い,適用可能な症例を選別します.検査を行い,治療薬を決定する診療の流れからは臨床検査の価値が高まったといえます.
本特集は「がん分子標的治療にかかわる臨床検査・遺伝子検査」と題して,①肺癌におけるALK融合遺伝子の発見,②創薬・診断,③胃癌・大腸癌・造血器腫瘍に対する分子標的薬と臨床検査・遺伝子検査とのかかわり,④血流中の循環腫瘍細胞(CTC)検出の有用性と可能性,⑤検査技術について工夫・考慮すべき点,について概説していただきました.
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