異常値をひもとく・16
薬剤の干渉によりフィブリノゲンが異常高値を示した症例
片岡 美香
1
1奈良県立医科大学附属病院 中央臨床検査部
pp.506-511
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103872
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はじめに
血液凝固検査において異常値が出た場合,検体の確認,時系列の確認,再検(希釈再検,増量再検,用手法)の実施,依頼科,使用薬剤など患者情報の確認,関連項目の検査結果の確認などを実施する.
今回提示する症例はフィブリノゲン(fibrinogen;Fbg)が異常高値を示し,希釈再検でも矛盾しない結果であったが,時系列,関連項目などとは合致しなかったため凝固波形を確認し,異常反応と判断したものである.また,異常反応の原因について患者情報より,抗真菌薬として用いられた薬剤によるものと推測し,検索を進めた.臨床検査の自動化が進み結果を導き出すプロセスがわかりづらくなってきているが,凝固検査項目においては凝固波形から推定できることも多く,波形を確認することを勧めたい.
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