樋野興夫の偉大なるお節介・1【新連載】
医師の2つの使命
樋野 興夫
1
1順天堂大学医学部 病理・腫瘍学
pp.140-141
発行日 2014年1月15日
Published Date 2014/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103786
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思えば,2003年「吉田富三(1903-1973)生誕100周年・山極勝三郎(1863-1930)生誕140周年」を全国で展開したのが,記憶に新しい.日本国は「化学発がんの創始国」であり,山極勝三郎と吉田富三が築いた「癌化の本流」がある.山極勝三郎&吉田富三の命題は,「今日の命題でもあり,将来の命題でもある」.これが「山極勝三郎&吉田富三」の現代的意義であろう.「発がん病理学者の風貌と胆力」の見せ所である.「発がん病理学」を極めることは,「森を見て木の皮まで見る」ことであり,マクロからミクロまでの手順を踏んだ「丁寧な大局観」を獲得する「厳粛な訓練」の場でもある.「潜在的な需要の発掘」と「問題の設定」を提示し,新しいことにも自分の知らないことにも謙虚で,常に前に向かって,時代の要請感のある「新鮮なインパクト」をあずかる「広々とした発がん病理学の本流」を目指したいものである.
本稿では,「山極勝三郎生誕150周年&吉田富三生誕110周年」を記念して,「過渡期の指導原理と新時代の形成力を求めて」を語ってみたい.
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