特集 はじめよう,検査説明
化学
15 酵素結合性免疫グロブリンについて教えてください
藤田 清貴
1
1群馬パース大学保健科学部検査技術学科
pp.1284-1285
発行日 2013年10月30日
Published Date 2013/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103626
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1.酵素結合性免疫グロブリンとは
酵素活性異常が認められた場合,病態およびその原因を探るためアイソザイム分析が行われる.その際,病態を反映しない活性異常を示す例では,時としてある分画の欠損,過剰分画(extra band)の出現,移動度の異なる分画などの異常パターンが観察される.頻度的に最も高いのは酵素結合性免疫グロブリン(enzyme linked immunoglobulins)である.酵素結合性免疫グロブリンでは酵素蛋白の側に異常があるのではなく,免疫グロブリンと結合して電気泳動移動度が変化し,あたかも酵素異常のように観察されることから,酵素アノマリー1)とも呼ばれている.しかし,電気泳動分析で,ザイモグラム上観察される異常分画を全て含め酵素アノマリーと呼ばれることが多く,遺伝的変異酵素などとの鑑別が必要となる.
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