異常値をひもとく・3
免疫電気泳動でspurを形成し,M蛋白量と免疫グロブリン濃度が乖離するIgA2型多発性骨髄腫
藤田 清貴
1
,
石垣 宏尚
1
,
佐藤 裕久
2
,
亀子 文子
3
1群馬パース大学保健科学部検査技術学科
2青森県立中央病院臨床検査科
3信州大学医学部保健学科検査技術科学専攻
pp.337-344
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103371
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はじめに
日常検査では,量的あるいは質的異常を示す様々な検体に遭遇する.特に,病態とかけ離れた異常な数値,あるいは奇妙な電気泳動パターンがみられた場合,どのような原因で起こったのか,それをどのように処理し解析したらよいのか判断に迷うことが多い.
例えば,総蛋白濃度とアルブミン値との差から求められるグロブリン量と免疫グロブリン定量値が乖離する例や,血清蛋白分画値から算出されたM蛋白量と免疫グロブリン定量値に乖離がみられる例などでは,抗原過剰によるプロゾーン現象や,濃度分布の少ないIgG,IgAサブクラスの増加による原因が最も考えられる1~3).
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