Japanese
English
今月の主題 MDS(骨髄異形成症候群)
話題
治療関連MDS
Therapy-related MDS
大屋敷 一馬
1
Kazuma OHYASHIKI
1
1東京医科大学内科学第1講座(血液・呼吸器内科)
キーワード:
MDS
,
治療関連
,
アルキル化剤
,
放射線
,
トポイソメラーゼⅡ阻害薬
Keyword:
MDS
,
治療関連
,
アルキル化剤
,
放射線
,
トポイソメラーゼⅡ阻害薬
pp.1373-1376
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103257
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1.はじめに
骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome;MDS)は血球減少と造血細胞の異形成を特徴とする疾患単位で,芽球細胞の占める割合は5~20%までとされ,幅広い病像を呈することから,様々な病態が想定される.そのなかでも,抗癌剤や放射線治療後に発症するものが知られ1),第4版WHO分類(2008年)では従来のMDSの分類から独立した疾患単位であるtherapy-related myeloid neoplasmsとして分類されている2).therapy-related myeloid neoplasmsには,治療関連急性骨髄性白血病(therapy-related acute myeloid leukemia;t-AML),治療関連MDS(therapy-related MDS;t-MDS),治療関連骨髄異形成/骨髄増殖腫瘍〔t-MDS/MPN(myeloproliferative neoplasm)〕が包含され,腫瘍性疾患の有無にかかわらず,細胞障害性の化学療法や放射線治療の既往歴がある患者において発症した血液悪性腫瘍を取り扱っている.この疾患単位は特徴的な臨床症状を呈するが,MPNから進展したものは含まれない.
悪性腫瘍に対する治療は格段に進歩し,治癒や長期生存を目指す治療法が展開され,それにつれ晩期障害の一つとして二次性の造血器悪性腫瘍がみられる.
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