Japanese
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シリーズ-感染症 ガイドラインから見た診断と治療のポイント・6
HIV感染症
Current practice guidelines for treatment of HIV-infected patients in Japan
鯉渕 智彦
1
Tomohiko KOIBUCHI
1
1東京大学医科学研究所附属病院感染免疫内科・診療科
キーワード:
ART(antiretroviral therapy)
,
CD4陽性Tリンパ球
,
アドヒアランス
Keyword:
ART(antiretroviral therapy)
,
CD4陽性Tリンパ球
,
アドヒアランス
pp.1123-1128
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103166
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はじめに
近年,日本国内のHIV(human immunodeficiency virus)感染者/AIDS(acquired immunodeficiency syndrome)患者の報告数の伸びはやや鈍化しているが,明らかな減少の兆しはない.2011年エイズ発生動向(厚生労働省エイズ動向委員会)によると,2011年のHIV感染者/AIDS患者の報告者数は1,529件で,過去3位の報告数であった.HIV感染者/AIDS患者を合わせた報告数(累計)は2012年初めに20,000件を超えた.HIV感染者の診療を行うことは決して珍しいことではなく,あらゆる病院や診療所でHIV感染者に遭遇する可能性がある.
抗HIV療法は著しく進歩したため,HIV感染症は長期生存が可能な“慢性ウイルス感染症”になり患者の高齢化が進んでいる.加齢に伴う様々な合併症にどのように対処していくかが今後の大きな課題である.早期発見,適切な時期での治療開始,良好なアドヒアランス(服薬)の維持が患者のQOL維持には極めて重要であり,そのための指針が抗HIV治療ガイドライン1)に記載されている.
本稿では,ガイドラインの考え方やHIV診療の現状を概説したい.
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