Japanese
English
今月の主題 間質性肺炎と臨床検査
話題
生物学的製剤による間質性肺炎
Interstitial pneumonia during biologic treatment in patients with rheumatoid arthritis
桑名 正隆
1
Masataka KUWANA
1
1慶應義塾大学リウマチ内科
キーワード:
間質性肺炎
,
関節リウマチ
,
ニューモシスチス肺炎
,
薬剤性肺炎
,
TNF
Keyword:
間質性肺炎
,
関節リウマチ
,
ニューモシスチス肺炎
,
薬剤性肺炎
,
TNF
pp.1001-1006
発行日 2012年9月15日
Published Date 2012/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542103136
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1.はじめに
近年,関節リウマチ(rheumatoid arthritis;RA)の診療体系は大きく変貌を遂げた.関節破壊とそれによる身体機能障害防止を目標に,できるだけ早期から薬物療法を開始し,疾患活動性を厳格にコントロールする治療理念が普及している.このような積極的治療の原動力は,アンカードラッグとしてのメトトレキサート(methotrexate;MTX)の定着とTNF(tumor necrosis factor)など病態にかかわる分子標的に対する生物学的製剤(note参照)の導入である.生物学的製剤は多くの例で炎症を沈静化し,関節破壊を防止することで生活の質を保つことが可能である.ただし,特定のサイトカインや免疫担当細胞を抑制することで免疫応答を修飾し,それに伴う副作用を誘発する可能性がある.特に呼吸器は主要な標的臓器となり,生物学的製剤投与下で時に重篤な事象が発生する.
本稿では,生物学的製剤投与下で発症した間質性肺炎(interstitial pneumonia;IP)に注目し,その病態と対処法について解説する.
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