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第100回日本病理学会総会が2011年4月28日(木)~30日(土)に横浜市で開催された.今回は日本病理学会の創立100周年を迎えた記念すべき総会であり,総会事務局は東京大学大学院医学系研究科病理学講座人体病理学・病理診断学分野におかれ,メインテーマは「次の100年を創る」だった.当初の予定では例年よりも1日長い5月1日までの4日間に100周年記念行事や多数のコンパニオンミーティング,市民公開講座などが開催される予定だった.しかし,3月11日の東日本大震災の影響で,会期の短縮や,記念講演会は誌上発表に変更するなどプログラムの大きな変更が余儀なくされた.会場には被災地のいわき市や仙台市の諸先生方の元気なお姿が見られ,一同安堵したことだった.
会場には「病理学会100年の歴史」のパネルが展示されており,参加者が病理学会の歴史を振り返るとともに,今後のあり方を考える指標となっていた.今回特筆すべきは第2日目に行われた「100周年記念式典」と第1日目の特別企画「病理学の研究 未来に向かっての提言」であろう.「100周年記念式典」ではまず,100周年記念事業実行委員会委員長の森 亘先生による日本病理学会の歴史の講演があった.その後,ご来賓の常陸宮殿下,文部科学大臣(代読),厚生労働大臣(代読),日本学術会議会長,日本医学会会長,日本医師会会長,イギリス病理学会代表,ドイツ病理学会代表,韓国病理学会代表の方々などのご挨拶を頂戴した.日頃,病理医数の減少や病理学研究の独自性に関する疑問などから元気をなくしがちな病理学会に対して,行政(国民)や臨床の立場から病理学や病理診断,病理解剖が医学の進歩や医療において果たしてきた重要な役割と将来に向けた力強いメッセージをいただき,身の震えるような感動を覚えたのは筆者のみではないであろう.病理学や病理医のあり方に関して,行政や他科の先生方からこのように正面から励ましていただいたのは今回が初めてのように思われる.病理がいかに大切かということを病理医だけが知っているのでは後に続く若者に訴える力が弱い.今回のご挨拶を,ぜひ何らかの形で,参加できなかった会員の皆様にお知らせしたらよいのではないかと思われた.
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