Japanese
English
今月の主題 脳卒中
話題
Cystatin C
Cystatin C
長井 篤
1
Atsushi NAGAI
1
1島根大学医学部臨床検査医学
キーワード:
脳アミロイドアンギオパチー
,
システイン・プロテアーゼ・インヒビター
,
糸球体濾過量
,
ハプロタイプ
Keyword:
脳アミロイドアンギオパチー
,
システイン・プロテアーゼ・インヒビター
,
糸球体濾過量
,
ハプロタイプ
pp.1561-1565
発行日 2010年11月15日
Published Date 2010/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102478
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1 . はじめに
Cystatin C(CysC)は20番染色体短腕にコードされる120個のアミノ酸よりなる,分子量13,260の蛋白である.血清蛋白分画で,γ分画に電気泳動されることよりγ-traceとも呼ばれる.Lysosomeに存在する分泌型のcysteine proteinase inhibitorで,全身の体液中に存在するが,特に精液,髄液中に高濃度に存在し,それぞれ血漿中の36倍,5.5倍である.プロテアーゼを阻害することにより,細胞外で補体系や炎症反応の調整にかかわっていると考えられている.
古くは,脳血管に沈着して脳卒中を起こす原因蛋白として発見され,筆者らもその機序について検討を加えてきた.近年,糸球体濾過量の指標として有用であることが証明され,腎機能の指標として保険収載された.本稿では,CysCと脳卒中の関連に焦点を当て概説したい.
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