Japanese
English
今月の主題 Helicobacter pyloriの診断と臨床応用
話題
小児領域のHelicobacter pylori感染
Helicobacter pylori infection in children
戸板 成昭
1
,
今野 武津子
1
Nariaki TOITA
1
,
Mutsuko KONNO
1
1札幌厚生病院小児科
キーワード:
小児
,
結節性胃炎
,
鉄欠乏性貧血
Keyword:
小児
,
結節性胃炎
,
鉄欠乏性貧血
pp.192-194
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542102236
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1.はじめに
現在,Helicobacter pylori(H. pylori)感染は成人における胃癌の主なリスクファクターの一つとされている.その多くは幼児期に感染が成立し,長い経過ののちに萎縮性胃炎,腸上皮化生を経て胃癌へと進展していく場合がある.小児期のH. pylori感染の特徴を理解し,早期に診断・治療を行うことは将来的な発癌を予防することにほかならない.さらにその診断において,小児では内視鏡検査のような侵襲的診断法は一般病院の小児科では困難なことが多く,非侵襲的検査で陽性所見が得られたら,確定診断と除菌療法に関しては専門医にコンサルトする必要がある.日本ヘリコバクター学会では2009年から学会認定医制度が発足しており,公開される予定であるので,それにより専門医にコンサルトすることが可能になる.
本稿では,小児領域におけるH. pylori感染の臨床像や診断法などに関し,その特徴と成人との違いについて概説する.
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