今月の主題 腎移植
総説
臓器移植後の免疫抑制療法
平野 俊彦
1
Toshihiko HIRANO
1
1東京薬科大学薬学部臨床薬理学教室
キーワード:
拒絶反応の予防と治療
,
カルシニューリン阻害薬
,
薬物治療モニタリング(TDM)
Keyword:
拒絶反応の予防と治療
,
カルシニューリン阻害薬
,
薬物治療モニタリング(TDM)
pp.755-760
発行日 2008年7月15日
Published Date 2008/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101642
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移植医療の発展は免疫抑制薬の開発と並行してなされてきた.臓器移植は患者本人以外の臓器提供者から臓器,組織,あるいは細胞を移植する医療であるため,患者の免疫系をうまくコントロールしないと拒絶反応により移植臓器が機能不全に陥る.このような拒絶反応を予防もしくは治療する目的で,免疫抑制薬の使用が不可欠である.しかしながら,移植患者の中には免疫抑制薬の治療効果が現れにくい症例や逆に副作用が発現しやすい症例なども散見されるため,個々の患者に合わせた免疫抑制薬物療法の実施が望まれる.本稿では,免疫抑制薬の歴史,種類,作用機序,あるいは副作用について概説するとともに,免疫抑制薬の血中濃度パラメーターに基づく投与設計の意義についても触れる.
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