今月の主題 自己免疫疾患の診断
話題
自己免疫疾患と肺高血圧症
片山 雅夫
1
Masao KATAYAMA
1
1国立病院機構名古屋医療センター膠原病内科
キーワード:
肺高血圧症(PH)
,
肺動脈高血圧症
,
膠原病
Keyword:
肺高血圧症(PH)
,
肺動脈高血圧症
,
膠原病
pp.569-572
発行日 2008年5月15日
Published Date 2008/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101604
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1.はじめに
肺高血圧症(pulmonary hypertension;PH)は肺動脈圧が異常に高い状態であり,WHOの定義では「右心カテーテル法による平均肺動脈圧が安静時に25mmHg以上のもの」とされている.PHは進行すると右心不全をきたす予後不良の疾患と捉えられている.PHは稀な疾患と考えがちだが,自己免疫疾患の代表的疾患である膠原病においては高率にPHを合併することが知られている.欧米ではlimited typeの強皮症(systemic sclerosis;SSc)で最も発現頻度が高く,予後も悪いことが報告されている.一方,日本においては混合性結合組織病(mixed connective tissue disease;MCTD)で合併率が高く,MCTDにおいてPHは予後を規定する最大の合併症である.PHは膠原病のみでなく,発生頻度に差はあるが広く自己免疫疾患に伴ってみられることが知られている.しかし,誌面の都合上,本稿では膠原病性PHを中心にその診断と治療について概観していきたい.
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