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術前化学放射線療法を受けた進行子宮頸癌患者の抗酸化状態
鈴木 優治
1
1埼玉県立大学短期大学部
キーワード:
子宮頸癌
,
化学放射線療法
,
抗酸化状態
Keyword:
子宮頸癌
,
化学放射線療法
,
抗酸化状態
pp.1690
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101405
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子宮頸癌はインディアン女性において最も頻度の高い腫瘍である.著者らは進行子宮頸癌患者における循環過酸化脂質,抗酸化物質および防御酵素活性の変化を評価するとともに,化学放射線療法前後のレベルの変化をモニターした.検討は進行子宮頸癌患者60人(FIGO Ⅲa-Ⅳb)および既往歴のない健康者60人を対象として行った.血液試料は治療開始前,化学療法第2コース完了2週間後および放射線療法完了2週間後に採取した.対照者からは1度だけ採血した.治療前の腫瘍患者では,対照群に比べ血漿過酸化脂質濃度は増加していたが,還元グルタチオン(GSH),グルタチオンペルオキシダーゼ(GPx),スーパオキシドジスムターゼ(SOD),グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)およびカタラーゼ(CAT)は減少していた.化学療法後には,過酸化脂質濃度は有意に減少し,GSH,GPx,SOD,GST,CATは軽い増加を示した.化学放射線療法後には,これらの物質の血液中レベルは正常あるいは正常近くまで戻った.これらの物質の正常化は術前化学放射線療法の有効性についての情報を与えるものと考えられる.
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