今月の主題 メタボリックシンドローム健診での注意点
総論
疾病の診断治療における長期的・体系的健診の重要性
清原 裕
1
Yutaka KIYOHARA
1
1九州大学大学院医学研究院環境医学分野
キーワード:
メタボリックシンドローム
,
心血管病
,
久山町研究
Keyword:
メタボリックシンドローム
,
心血管病
,
久山町研究
pp.1167-1171
発行日 2007年11月15日
Published Date 2007/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101356
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久山町の疫学調査によれば,わが国の一般住民では生活習慣の欧米化によって時代とともにメタボリックシンドローム(MetS)の構成因子である肥満,耐糖能異常,高脂血症の代謝性疾患が急増している.最近の久山町集団の追跡調査では,MetSは脳梗塞,虚血性心疾患など心血管病発症の有意な危険因子となる.MetSに他の危険因子が合併すると心血管病のリスクが相乗的に上昇し,危険因子が集積した状態そのものが一つひとつの危険因子の影響を超えて心血管病のリスクを高めると考えられる.一方,診断基準によってMetSの頻度は2~4倍変化するため,日本人に最も適した診断基準を策定するうえで,今後さらなる疫学的な検証が必要である.
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