今月の主題 白血球
各論
血管炎の病態と好中球
鈴木 和男
1,2
Kazuo SUZUKI
1,2
1千葉大学大学院医学研究院免疫発生学炎症制御学
2国立感染症研究所
キーワード:
anti-neutrophil cytoplasmic antibody(ANCA)関連血管炎
,
活性化好中球機能
,
myeloperoxidase
,
血管炎モデルマウス
,
MPOノックアウトマウス
Keyword:
anti-neutrophil cytoplasmic antibody(ANCA)関連血管炎
,
活性化好中球機能
,
myeloperoxidase
,
血管炎モデルマウス
,
MPOノックアウトマウス
pp.1071-1080
発行日 2007年10月15日
Published Date 2007/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101333
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好中球は,活性酸素産生やmyeloperoxidase(MPO)が産生するOCl-によって感染防御にはたらく.しかし,血管炎患者血清中に上昇する自己抗体MPO-ANCAおよびMPOが発症に関与していることがMPOノックアウトマウスによって証明された.また,MPOの重鎖のNおよびC末端にエピトープをもつMPO-ANCAが病態の重症化と関連することが判明した.一方,急性進行性糸球体腎炎(RPGN)を自然発症する病態モデルSCG/Kjマウスや真菌分子C. albicans extract(CADS),C. albicans water soluble glycoprotein(CAWS)誘導の冠状動脈炎を誘発するマウスの解析から治療方法が検討されている.最近,MPO抗体が糸球体内皮細胞に直接反応してICAM-1発現を誘発することがわかったことから,in vivoでのMPO抗体の役割を知るために量子ドットを使ったトレーザ解析法が有用となってきている.
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