今月の主題 補完・代替医療
話題
経穴(ツボ)の認識と国際化
山下 仁
1
,
津嘉山 洋
1
Hitoshi YAMASHITA
1
,
Hiroshi TSUKAYAMA
1
1筑波技術短期大学附属診療所
キーワード:
経穴
,
鍼灸
,
国際コード
,
WHO
Keyword:
経穴
,
鍼灸
,
国際コード
,
WHO
pp.773-777
発行日 2003年7月15日
Published Date 2003/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101089
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.経穴の定義
「経穴(acupoint)」(ツボの正式な呼称)とは,経験的に治療効果が認められ,鍼灸の施術点として用いられてきた体表の一定部位のことである1).また,治療点だけでなく,疾病の反応点であり診断点でもあるとされている2).古代中国では,気血がめぐる通路として「経絡(meridian)」が全身にくまなく分布しているという概念が生まれ,時代ごとの思想と臨床経験の影響を受けながら発達した.経絡を大まかに分けると,気血交通の幹線であり臓腑にまといながら体表を縦に走る「経脈」,および経脈から枝分かれして気血を横に連絡させる「絡脈」がある.厳密には経脈上にあるツボを経穴と呼び,それ以外の部位にあるツボを奇穴,阿是穴,新穴などと分類しているが,日常的にはこれらをすべて含め総称として経穴と呼ぶことも多い.取穴(経穴の場所を決めること)は,それぞれの経穴について骨・筋・関節などを指標とした位置が教科書で決められているが,日本では教科書的な位置およびその周辺を触圧して緊張,圧痛,心地よさ,響き(独特な感覚が放散すること)などの反応を確認しながら決定することが多い.(図1)
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.