今月の主題 認知症の動的神経病理
総論
動的神経病理としての髄液バイオマーカー
金丸 和富
1
Kazutomi KANEMARU
1
1東京都老人医療センター神経内科
キーワード:
髄液バイオマーカー
,
アルツハイマー病
,
レヴィー小体型認知症
Keyword:
髄液バイオマーカー
,
アルツハイマー病
,
レヴィー小体型認知症
pp.1107-1110
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100728
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アルツハイマー病の髄液バイオマーカーの特徴としては,タウ蛋白の上昇とアミロイドβ蛋白(amyloid β42;Aβ42)の低下がある.さらに,リン酸化タウ蛋白(p-tau)の上昇が,より特異性の高い検査として報告されている.また,p-tauの上昇は,アルツハイマー病に移行する軽度認知障害の診断にも有用である.病理所見との対応では,p-tauの上昇は,アルツハイマー神経原線維変化と,また,Aβ42の低下は,老人斑やアミロイド・アンギオパチーと相関していた.レヴィー小体型認知症の髄液所見は,tauやp-tauは正常であるが,Aβ42やホモバニリン酸が低下している.〔臨床検査 50:1107-1110,2006〕
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