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はじめに
超音波診断装置は生体の任意の方向に超音波を照射し,その受信信号から生体の内部構造や対象の動きを知ることができる.一般の診断装置では送受信する方向を電気的に変えながら超音波を照射し,断層像を得ている.
超音波診断画像を用いた三次元画像構築は30年以上前から世界各国で研究開発されている.その当時は,単一振動子による手動接触コンパウンドによる手法から,やっと電子スキャンが実用化され,探触子を動かさなくても二次元画像が得られるようになった時代である.二次元断層像が得られれば次は三次元,というのは当然の流れと言える.超音波三次元画像装置は既に1975年には商用化されているが,プローブの位置を検出するための大きなアームと画像処理のためのコンピュータ,そして,長い計算時間が必要とされていた1,2).
以降,プローブの位置検出や高速三次元画像処理アルゴリズム,あるいは立体画像表示に関する研究が多くの施設で行われ,現在の形に近い本格的な三次元画像装置が開発されたのは,1990年代になってからである.
現在では診断装置の画質やフレームレートの向上,コンピュータの処理速度向上と専用プローブの開発により,実時間表示することが可能になっており,多くの領域で用いられるようになった.これらの超音波診断装置における三次元画像構築は,CTやMRなど他のモダリティと同じく,ボリュームデータの取得,三次元画像再構成,表示という順で処理されている.4DあるいはReal Time 3Dと呼ばれる実時間三次元画像表示もこの手順の繰り返しである3,4).
本稿では超音波診断装置における三次元画像構築に関して,この処理手順に従って説明し,最後に最新の3D/4D関連技術を紹介する.
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