今月の主題 キャピラリー電気泳動法
話題
HbA1C測定標準化と毛細管電気泳動法
梅本 雅夫
1
Masao UMEMOTO
1
1(中法)HECTEFスタンダードレファレンスセンター
キーワード:
IFCC HbA1C WG
,
IFCCレファレンス法
,
SIトレーサブル
,
Glu-C水解
,
分取液体クロマトグラフィー
,
糖化ペプチドと非糖化ペプチド
Keyword:
IFCC HbA1C WG
,
IFCCレファレンス法
,
SIトレーサブル
,
Glu-C水解
,
分取液体クロマトグラフィー
,
糖化ペプチドと非糖化ペプチド
pp.1007-1010
発行日 2005年9月15日
Published Date 2005/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100250
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1.DCCTのレファレンス法
DCCT(the Diabetes Control and Complication Trial)1)のHPLCを用いるレファレンス法(reference method)を基にした,米国NGSPによる標準化2)の成果が,2003年のCAP(the College of American Pathologists)サーベイで著しい効果を上げ,それが国際的に認知され,同様のシステムが日本,スウェーデン,英国などの主要国で採用された.しかし,このDCCTのレファレンス法はHPLCを用いており,DCCTと全く同じシステムを採用しない限り,用いるカラム,溶出条件などによりHbA1Cの値は異なる.すなわちDCCTの基準はSI単位のように確固たる基礎のもとに確立をされたものでないため,時間的,地理的に一定の値を維持するのは極めて困難といえる.
1998年に発足したIFCC HbA1C WG (the IFCC Working Group on HbA1C Standardization)は,2002年にHbA1Cの明確な定義と測定方法を発表した3).これはSI単位にトレーサブルな測定方法であり,時間的にも地理的にも一定の値を提供できることから,現在では各国の標準化の中心的存在,すなわちグローバルスタンダードとして認知されている4,5).これは,IFCCの値に統一するのではなく,各国がそれぞれの値を維持できるような,世界的な基準を提供することとして理解されている.しかし,ヨーロッパ,日本などにおいて,近い将来にIFCCのレファレンス法による値に統一するための努力が行われている.
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