今月の主題 腎疾患と臨床検査
腎疾患と臨床検査
1.腎機能推定のための検査
2) 尿細管機能を推定する臨床検査
伊西 洋二
1
,
奥田 俊洋
2
Yoji INISHI
1
,
Toshihiro OKUDA
2
1東邦大学医療センター大橋病院腎臓内科
2東京大学保健センター内科
キーワード:
尿中NAG
,
尿中β2ミクログロブリン
Keyword:
尿中NAG
,
尿中β2ミクログロブリン
pp.505-510
発行日 2006年5月15日
Published Date 2006/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542100086
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腎尿細管は近位尿細管,Henleループ,遠位尿細管,集合尿細管より構成され,糸球体で濾過された原尿から最終的に尿を生成する複雑な機能をもつ.各部位に応じてその検査法は煩雑だが,得られる結果は必ずしも明確でなかったり臨床的意義も低く学術的意義しかないような場合もある.尿細管検査の適応には慎重さが要求される.
近位尿細管機能の検査法としては尿中のNAGやβ2ミクログロブリン測定,欧米では尿中α1ミクログロブリンも簡便な方法として汎用されている.その他PSP排泄試験や尿細管ブドウ糖再吸収極量,尿細管PAH分泌極量,重炭酸塩負荷試験などがある.遠位尿細管・集合尿細管機能の検査法にはFishberg濃縮試験や塩化アンモニウム負荷試験などがあるが適応は限られる.〔臨床検査 50:505-510,2006〕
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