特集 病院のヒューマン・リソースは万全か—病院職員の採用と募集
産業構造の変化とヒューマン・リソース
高梨 昌
1,2,3
Akira TAKANASHI
1,2,3
1信州大学経済学部
2日本労働研究機構研究所
3中央職業安定審議会
pp.646-651
発行日 1991年8月1日
Published Date 1991/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903675
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産業構造の変化
わが国の産業構造は昭和48年のいわゆる石油危機を転機にし,急速に変化してきた.すなわち,従来の資源・エネルギー大量消費型産業から資源・エネルギー節約型産業に急速に転換してきた.つまり,通産省が言う「知識集約型高付加価値産業」が急速な成長過程に入ってきている.これはまた「サービス経済化」ともいわれるように,ものをつくる製造工業はME (micro-electro-nics:電子工学)技術を中心とする技術進歩によって急速に自動化,機械化が進み労働投入量が節約されはじめてきているということである.
これまでの技術は大量生産技術で,大規模な製造工業が大量の労働者を雇うというように資本集約型であると同時に労働集約型産業であった.それがME技術をはじめ省力化技術が導入され,多品種少量生産でも効率的にものが生産されるようになったのである.これが,「脱工業化」という考え方であるが,「脱工業化」は単に工業部門が縮小することを意味するのではなく,工業部門が効率的な生産を行って必要とする人員が節約されはじめているということである.
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