救急医療研修—臨床研修必修化に伴う研修医の受け入れ体制をどうするか・1
日本医科大学付属病院救急医療修練プログラムの検証
山本 保博
1
,
小井土 雄一
1
,
川井 真
1
1日本医科大学救急医学教室
pp.906-909
発行日 2002年11月1日
Published Date 2002/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903647
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平成16年度より「新たな医師臨床研修医制度」が始まる.その骨子は専門に特化した臨床研修から,プライマリーケア中心に幅広い診療能力を身につける研修へと変更させることである.現在の医療は専門分化が著しく進んだ弊害として,医師と患者のコミュニケーションの中で全人的な幅広い診療能力を求めるという社会の医療ニーズとかけ離れたものになっている(図1).救急医療に関しても,これまでは卒後全く研修する機会がなく,心肺蘇生すらまともに学んだことがないという医師を多く生んできた.
今回の「新たな医師臨床研修医制度」は基礎的な診療ができる医師を育てるのが狙いである.その中で,救急医療の研修が必修化されたことは,何科の臨床家になるにしても非常に有意義であることは言うまでもない.しかしながら,毎年8,000人の研修医に質の高い救急医療研修を提供できるかということに関しては多くの問題があると言わざるを得ない.本稿では,長年研修医を受け入れてきたわれわれの経験を述べ,その解決すべき問題点につき検討してみたい.
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