特集 医師臨床研修必修化は病院に何をもたらすか
臨床研修必修化における研修プログラムと受け入れ施設のあり方
島田 和幸
1
,
布施 勝生
1
1自治医科大学附属病院レジデント委員会
pp.450-456
発行日 2002年6月1日
Published Date 2002/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541903545
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
卒後臨床研修必修化をめぐって,財政的基盤が成否の鍵を握っているとの主張が研修医を受け入れる病院側から強く表明されている.研修医がアルバイトなどをせずとも普通の生活ができるだけの給料が支払われるべきなのは至極当然のことである.また,研修医を指導するスタッフを充足できるだけの人件費がないと,研修医を単に労働力としてしか処遇しかねないことも,現実の経験が示している.
すなわち,財源抜きの話だけでは戦前の「竹槍主義」にも通ずる「敗北主義」に陥る危険が大きい.国全体の財政・経済構造が危機に瀕している中で,このような「構造改革」を成し遂げねばならない状況は,まさにタイミングが悪い.やりくりの中から最終的にどのようなシステムが生まれるのか,厚生労働省を中心としたグループの叡智が期待される.まず「行政当局の責任」が問われている.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.